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原告後藤徹氏側準備書面(2) ─その3

原告後藤徹氏側準備書面(2) ─その3

後藤徹氏の兄、兄嫁、妹の準備書面に対する後藤氏の準備書面(2)もいよいよ最終ステージの荻窪フラワーホーム804号室へと進み、拉致監禁の実態がかなり浮き彫りになってきた。ここは拉致監禁脱会説得請負人の重鎮、宮村峻氏の登場するところであり、後藤氏がさらに踏み込んだ説明ができるかどうか、注目の個所でもある。宮村氏サイドの「後藤徹氏兄、兄嫁、妹による準備書面(1)─その3」とも読み比べていただき、理解に供していただきたい。


原告後藤徹氏側準備書面(2) の構成
第1 はじめに
第2 第2について
第3 第3について
第4 第4について
第5 第5について
第6 第6について
第7 第7について
第8 第8について
第9 第9について
第10 第10について
青印が今回アップしたもの




第6 第6について
1 荻窪フラワーホーム804号室への移動について,被告<後藤氏の兄>らは,「原告は,このとき自身の足で歩いて移動しており,何らの騒動にもなっていない。」と主張する。しかしながら,被告<後藤氏の兄>らが引用する検察審査会議決書にもある通り,この移動の際には<後藤氏の母>,被告<後藤氏の兄>,被告<後藤氏の兄嫁>,被告<後藤氏の妹>の他に男性3人がいたものであり(乙イ1の2「検察審査会議決書」6頁),原告は成算もなく軽率に脱出行動を取ることはできなかったものであり,上記は監禁を否定する根拠にはならない。

この日まで原告はマンションを移ることを全く知らされず,原告の知らないうちに荷物は既に運び終わっている状態で,突然「マンションを移動するから」と言われて家族らに連行されたものである。そもそも,引っ越しと言っても,洋服ダンスや食器棚などの家具や冷蔵庫などの電化製品を運んだ形跡はなく,衣類など細かな身の回りの物のみの移動であったのであるから,わざわざ男性を3人も動員する必要などなかったはずである。原告の移動の際には荷物を運ぶこともなく,上述の男性3名及び車は,原告を連行するためだけに準備されたものであり,このような異常な引っ越しが原告の逃走を防ぐためものものであったことは言うまでもない。

また,検察審査会議決書によると,被告<後藤氏の兄>らは上記友人3名を呼んだことを「逃走防止」ではなく統一協会からの「奪還防止」のためと主張している(乙イ1の2「検察審査会議決書」5頁)が,他方では,「荻窪プレイスマンションでは,家族以外は出入りなどしていなかった」(同6頁)と主張している。

被告<後藤氏の兄>らの主張するところの,牧師等を尾行して奪還する信者の住居を突き止めるという統一教会が,家族らしか出入りしていないマンションを一体どのようにして特定し得るというのであろうか。しかも,マンションを移動する際の僅かな瞬間を統一教会がピンポイントで特定して救出に来ることができるとでも言うのであろうか。被告<後藤氏の兄>らは原告の逃走防止のために講じた措置を統一教会のせいにして言い逃れしようとしているが,為にする嘘であるが故に随所に矛盾を来すのである。

2 被告<後藤氏の兄>らは,荻窪フラワーホームの玄関に南京錠をつけていたことについて,「統一教会信者らが話し合いの妨害や原告を取り戻すなどの名目で多人数で押しかけてくる可能性があったため,これに備えての措置」などと弁明し,あくまでも外部からの侵入を防ぐためのもので,内側から南京錠を外して出ようとすれば容易に鍵を外せる状態であったなどと主張する。

  しかしながら,原告は,同室到着後まもなく玄関の南京錠を確認した際,被告<後藤氏の兄>から奥の部屋に追いやられたため,南京錠の鍵の所在など確認しようもなく(もっとも,南京錠の鍵をその辺に置くはずもない),かつ,その後は一番奥の部屋において監視され続けていたものであって,原告において,玄関にたどり着いて南京錠を外し鍵を開けて逃走するということ自体が極めて困難であったことは明らかである。

実際に,原告は2001年ころから何度か玄関めがけて突進し,脱出を試みているが,そのたびに被告<後藤氏の兄>らから取り押さえられている(甲9「原告陳述書」25頁)。また,原告が隙を見て玄関に向かった際,玄関前の廊下に出るためのドアも施錠されていたため,逃走に失敗したということもあった(同26頁)。

そもそも,外部からの侵入を防ぐためにドアェーンに南京錠をつけた,などと言うが,ドアチェーンを切断するなどということは,玄関を開けて初めて可能になることであり,外からの侵入を防ぐためには玄関を開けなければ済む話であり,真の目的は被監禁信者の逃走の防止である。
南京錠による玄関ドアの施錠状態の再現写真


実際,脱会説得の専門家ら(本件で言えば被告松永及び被告宮村に相当)が監禁目的で鎖と南京錠による玄関の施錠などを行わせることは,拉致監禁による強制棄教を主導してきた人物が著書(甲23「統一協会 救出とリハビリテーション」180頁)で自ら明らかにしていることであり,本件においても原告を監禁する目的で南京錠が付けられたことは疑いの余地がない。


また,窓の鍵付きクレセント錠については,「信者が家族と話し合いをしている最中に,突然窓から飛び出してしまったことがあると聞いていたために,念のためにしていた(被告<後藤氏の兄>ら準備書面(1)10頁)」と,原告の脱出を防ぐ目的であったことを自白しているところであるが,そもそも玄関の出入りが自由なのであれば,原告が命懸けで窓から飛び出すことを想定して窓が開かないよう施錠する必要などないはずである。

3 また,被告<後藤氏の兄>らは,大部分の時間は原告より体格や体力も劣る母と妹のみが在室していたこと,統一教会問題についての話し合いに特に関わっていない親戚や業者の立ち入りがあったが助けを求めていないことを根拠に,原告が自分の意思で同室に留まったと主張する。しかしながら,自力で脱出するのが不可能であったことは上述の通りであるし,監禁が長びくにつれて,原告は極度の運動不足とハンガーストライキ後の食事制裁によって体が衰弱し,女性からも簡単に取り押さえられるような体力しか残っていなかった。

  また,マンションに出入りしていた親戚にあっても「統一協会はひどいところだ」,「親をこれ以上心配させるな」などと,被告<後藤氏の兄>ら家族とともに説教めいたことしか言わなかったため,原告としてはその親戚に何かを訴えたところで開放されるとはとても思えなかったものである。また,外部の業者が訪れるときには,必ず被告<後藤氏の兄>が作業の見える位置にいて常に原告を監視していたものであり,エアコンの修理に来た男性は被告宮村の知り合いであることがわかったことから,原告としては到底助けを求めるに足る人物とは思えなかったものである(甲9「原告陳述書」35頁)。

そもそも,拉致監禁の際にも用意周到に見知らぬ男性らが配置されているのを目の当たりにした原告にしてみれば,誰が本件拉致監禁に関わっている人であり,誰が関係ない人なのかなど判断しようがなく,監禁状況の悪化を恐れて容易に助けを求めることができなかったのは当然のことである。

被告<後藤氏の兄>がトイレ使用中にトイレのドアが壊れてトイレ中に閉じ込められた際,原告が逃走できなかったのは,玄関ドアだけでなく,玄関と部屋の間のドア(甲9:「荻窪フラワーホーム間取り図」のD,46頁)までも施錠されていて,逃走できる成算がなかったためであった。
荻窪フラワーホーム804号室間取り図


被告<後藤氏の兄>がトイレから出てきた後,原告が「閉じ込められる方の苦しみが少しは分ったか!」と被告<後藤氏の兄>を糾弾したのに対し,被告<後藤氏の兄>が否定することもなく無言でうなだれるしかなかったのを見ても,原告が監禁下にあったことは明らかである。



2011-08-23(Tue)
 

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説得力あり! 

 被告側の主張の矛盾が明白にされ、とても説得力がある陳述書だと思いました。
つまづくところなく、一気に読むことができました。
拍手です。
2011-08-24 13:11 | 米本 | URL   [ 編集 ]

物は言いよう 

≪被告■<後藤氏の兄>らは上記友人3名を呼んだことを「逃走防止」ではなく統一協会からの「奪還防止」のためと主張している≫

物は言いようですね。
ラブホテルに女性と入ったことを「統一協会から逃れるために緊急避難した」と言い訳するのに似ていますね。
彼らは何でも統一協会のせいにする。

「外部からの侵入を防ぐために」鍵を掛けた。ドアのみならず、窓にも。
中に“保護”された原告は当然、外には出れない。声を張り上げても、外には聞こえない。
そもそも、原告が鍵を掛けてくれ、と頼んだのか。窓に施錠してくれ、と頼んだのか。

こういうのを一般的に監禁状態と言う。

被告らの言い訳は「逃げられたのに、逃げていないじゃないか」というもの。

かつて観た映画で、ジョディー・フォスター主演の『告発の行方』というのがあった。口を押さえられ、「やめて」と言えない中で、知り合いを含む3人の男に犯される。
拒否した証拠がない、証拠・証人がいない、という被害女性には苦しい裁判だったが、最後には勝訴する。

翻って、後藤裁判。
逃げようとした形跡がない、証拠・証人がいない、ということをいいことに、被告らは苦し紛れの言い訳をしているが、そんな言い訳が、果たして通用するのだろうか。
2011-08-25 08:54 | みんな | URL   [ 編集 ]

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