傍聴記(その3)- 証拠&証人について
ここは,東京高等裁判所824号法廷。
須藤裁判長は原告側,被告側から提出された主張についての書面の確認が終わると,続いて証拠の確認に入りました。
証拠の確認の際,特にノートなど(書証)がコピーではなく原本のあるものを提出する場合には,証拠提出した側が,その書証がきちんとしたものなのかどうか確認する意味で,裁判官と相手側に原本を提示します。
今回,原告側,被告側双方から証拠として提出されたものは,陳述書などが多いようですが,後藤氏兄・妹・兄嫁側から提出されたものに3つの書証がありました。
それは,以下のものです。
①原告の後藤さんが監禁中に荻窪フラワーホームの中で書いたという統一原理を解説したノート1冊
②同じく原告の後藤さんが荻窪フラワーホームの中でカレンダーに書いたメモ
③原告の後藤さんのお母さんが,被告松永牧師の新津福音キリスト教会で開催された統一教会信者父兄に対する勉強会でとったノートメモ

須藤裁判長は原告側,被告側から提出された主張についての書面の確認が終わると,続いて証拠の確認に入りました。
証拠の確認の際,特にノートなど(書証)がコピーではなく原本のあるものを提出する場合には,証拠提出した側が,その書証がきちんとしたものなのかどうか確認する意味で,裁判官と相手側に原本を提示します。
今回,原告側,被告側双方から証拠として提出されたものは,陳述書などが多いようですが,後藤氏兄・妹・兄嫁側から提出されたものに3つの書証がありました。
それは,以下のものです。
①原告の後藤さんが監禁中に荻窪フラワーホームの中で書いたという統一原理を解説したノート1冊
②同じく原告の後藤さんが荻窪フラワーホームの中でカレンダーに書いたメモ
③原告の後藤さんのお母さんが,被告松永牧師の新津福音キリスト教会で開催された統一教会信者父兄に対する勉強会でとったノートメモ

この3つの書証の原本を後藤氏兄・妹・兄嫁の代理人・山口貴士弁護士が裁判官に渡し,裁判官が確認した後に,原告側の代理人福本弁護士と原告の後藤さんがそれらを手に取り,調べ始めました。
そして,後藤さんがカメラを持ち出して,何やら写そうとすると,被告側から「撮るんですか?」との声が上がり,裁判長も制止したため,後藤さんは撮影を断念。
後藤さんは「これ,読めないんですけど」と。そこで,後藤氏兄・妹・兄嫁の代理人・荻上弁護士が,「後で拡大コピーして出します」と回答。
後で,後藤さんに聞いたところによると,上記②のカレンダーメモは,鉛筆書きの細かい字でびっしり書いてあるため,証拠で出されたコピーに何が書いてあるか殆ど読み取れなかったそうで,このため後藤さんはデジカメで撮影しようとしたらしい。

<字が細かいためメモの内容は読み取りにくいです。ご了承ください。>
いったいこのカレンダーメモに何が書いてあって,なぜ,そんなものを控訴審に入った今頃に被告側は出してきたのか?このカレンダーメモの件は,また,後日本ブログでご紹介する予定です。
ここで,福本弁護士が上記③の後藤さんのお母さんが新津福音キリスト教会での勉強会でとったノートメモを手にとって,「これ,元々こんな切り取ってませんでしたよね?」と発言。
傍聴席から目をこらしてよく見ると,その小型のノートらしきものは,表紙も裏表紙もない状態で,ノートから一部切り取った(引きちぎった?)ような状態でした。
福本弁護士が「こんな状態(切り取った状態)で置いてあるわけないでしょ。何でこんな状態になってるの?」と追い打ちをかけると,山口貴士弁護士は,無表情で「そう言われましても、それはお母さんが持っていたものがそういう状態で発見されたんです」「さあ,それは分かりません」などと回答。
ここで私なりにちょっと解説すると,福本弁護士の指摘ももっともだと思う。
だって,そんな重要な証拠となるノートなら,ちゃんと元のノートの状態で保管されていると考えるのが普通でしょ。
それが,ノートを切り取った状態で一部を出してくるなんて「自分たちにとってまずいところを切り取って隠蔽し,都合のいいところだけを出してきた」と思われても仕方ないと思う。
さらに,福本弁護士は,上記①のノートについて「原告のノートは,他にもたくさん(荻窪フラワーホームに)置いてあったんだけど,何で他のは出さないの」と質問。
すると,荻上弁護士が,「そんなにたくさんなかったみたい」的なことを言うやいなや福本弁護士は「どうしてすべてを出さないのか。他のノートには拉致監禁の経緯が書かれていたものがある。どうして一部なのか!」と追及。
それに対し,荻上弁護士は「そんなこと言われましてもねえ」といった回答。
福本弁護士は「全部出してください!」と追及すると,荻上弁護士は「分かりました。コピーでいいですか」と回答。
そこで,裁判長が,「その件に関して主張があれば,次回までに出してください」と収拾。
この間,福本弁護士の追及を受けていた山口貴士弁護士と荻上弁護士の表情がいかにも「そこを突かれると痛いな~」みたいな表情をしていたのが印象的でした。

後藤さんの最後の監禁場所となった荻窪フラワーホームに様々なことを書き留めた何十冊というノートを置いていたことは,一審の時に陳述書で書いていて,被告側のお兄さんや妹さんは,そのノートを「捨てた」と主張していたはず。

<後藤徹氏の妹の陳述書>
それなのに被告側は,なぜ,今頃,それも1冊しか出してこないのか?
これも,ノートを捨てたと言っていたのが実は嘘で,今頃になって自分たちが都合のいいものを選んで出してきたと見られても仕方ないですよね~。
こんなこと,素人の私でもそう思うのだから,裁判官はなおさら「この人達,怪し~」と印象を持つんでない?
さて,法廷では証拠の確認が終わると,次には,裁判長が被告側の人証申請(証人申請・当事者申請)についての言及を始めました。被告側は,以下の4名を控訴審で人証申請しました。
①被告の後藤氏妹
②被告宮村
③元信者女性
④元信者女性の夫
控訴審で証人尋問を行うことは希だそうで,特に,一審で既に尋問した当事者を控訴審で改めて尋問することは更に希だそうです。
裁判所がよっぽど必要性を認めない限りは,やらないそうです。
被告側としては,一審判決を覆すために何とか今一度,尋問を行って自分たちに利する証拠固めをしたい,との狙いがあるようです。
この証人尋問・当事者尋問を改めて行うか否かの判断について,今回の法廷では,裁判長は,判断を保留し,次回法廷に判断を持ち越しました。
ただし、被告である後藤氏妹と宮村については、一審で既に尋問を行っている点について言及し、また、新たな証人2名(元信者女性と元信者女性の夫)については、「現時点では必要ないと思っている」とコメントするなど、基本的にはやらないという本音をちらつかせていました。
次回法廷では,この人証申請が採用されるか否かが一つの注目点になりますね。
法廷では最後に,次回期日の日程を決めて閉廷しました。
既に,お知らせしましたが,次回期日は,8月21日(木)10時30分です。
本ブログでは,次回から控訴審で提出された主な書面をUPする予定です。
これからも後藤徹氏の応援をよろしくお願いいたします。
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そして,後藤さんがカメラを持ち出して,何やら写そうとすると,被告側から「撮るんですか?」との声が上がり,裁判長も制止したため,後藤さんは撮影を断念。
後藤さんは「これ,読めないんですけど」と。そこで,後藤氏兄・妹・兄嫁の代理人・荻上弁護士が,「後で拡大コピーして出します」と回答。
後で,後藤さんに聞いたところによると,上記②のカレンダーメモは,鉛筆書きの細かい字でびっしり書いてあるため,証拠で出されたコピーに何が書いてあるか殆ど読み取れなかったそうで,このため後藤さんはデジカメで撮影しようとしたらしい。

<字が細かいためメモの内容は読み取りにくいです。ご了承ください。>
いったいこのカレンダーメモに何が書いてあって,なぜ,そんなものを控訴審に入った今頃に被告側は出してきたのか?このカレンダーメモの件は,また,後日本ブログでご紹介する予定です。
ここで,福本弁護士が上記③の後藤さんのお母さんが新津福音キリスト教会での勉強会でとったノートメモを手にとって,「これ,元々こんな切り取ってませんでしたよね?」と発言。
傍聴席から目をこらしてよく見ると,その小型のノートらしきものは,表紙も裏表紙もない状態で,ノートから一部切り取った(引きちぎった?)ような状態でした。
福本弁護士が「こんな状態(切り取った状態)で置いてあるわけないでしょ。何でこんな状態になってるの?」と追い打ちをかけると,山口貴士弁護士は,無表情で「そう言われましても、それはお母さんが持っていたものがそういう状態で発見されたんです」「さあ,それは分かりません」などと回答。
ここで私なりにちょっと解説すると,福本弁護士の指摘ももっともだと思う。
だって,そんな重要な証拠となるノートなら,ちゃんと元のノートの状態で保管されていると考えるのが普通でしょ。
それが,ノートを切り取った状態で一部を出してくるなんて「自分たちにとってまずいところを切り取って隠蔽し,都合のいいところだけを出してきた」と思われても仕方ないと思う。
さらに,福本弁護士は,上記①のノートについて「原告のノートは,他にもたくさん(荻窪フラワーホームに)置いてあったんだけど,何で他のは出さないの」と質問。
すると,荻上弁護士が,「そんなにたくさんなかったみたい」的なことを言うやいなや福本弁護士は「どうしてすべてを出さないのか。他のノートには拉致監禁の経緯が書かれていたものがある。どうして一部なのか!」と追及。
それに対し,荻上弁護士は「そんなこと言われましてもねえ」といった回答。
福本弁護士は「全部出してください!」と追及すると,荻上弁護士は「分かりました。コピーでいいですか」と回答。
そこで,裁判長が,「その件に関して主張があれば,次回までに出してください」と収拾。
この間,福本弁護士の追及を受けていた山口貴士弁護士と荻上弁護士の表情がいかにも「そこを突かれると痛いな~」みたいな表情をしていたのが印象的でした。


後藤さんの最後の監禁場所となった荻窪フラワーホームに様々なことを書き留めた何十冊というノートを置いていたことは,一審の時に陳述書で書いていて,被告側のお兄さんや妹さんは,そのノートを「捨てた」と主張していたはず。

<後藤徹氏の妹の陳述書>
それなのに被告側は,なぜ,今頃,それも1冊しか出してこないのか?
これも,ノートを捨てたと言っていたのが実は嘘で,今頃になって自分たちが都合のいいものを選んで出してきたと見られても仕方ないですよね~。
こんなこと,素人の私でもそう思うのだから,裁判官はなおさら「この人達,怪し~」と印象を持つんでない?
さて,法廷では証拠の確認が終わると,次には,裁判長が被告側の人証申請(証人申請・当事者申請)についての言及を始めました。被告側は,以下の4名を控訴審で人証申請しました。
①被告の後藤氏妹
②被告宮村
③元信者女性
④元信者女性の夫
控訴審で証人尋問を行うことは希だそうで,特に,一審で既に尋問した当事者を控訴審で改めて尋問することは更に希だそうです。
裁判所がよっぽど必要性を認めない限りは,やらないそうです。
被告側としては,一審判決を覆すために何とか今一度,尋問を行って自分たちに利する証拠固めをしたい,との狙いがあるようです。
この証人尋問・当事者尋問を改めて行うか否かの判断について,今回の法廷では,裁判長は,判断を保留し,次回法廷に判断を持ち越しました。
ただし、被告である後藤氏妹と宮村については、一審で既に尋問を行っている点について言及し、また、新たな証人2名(元信者女性と元信者女性の夫)については、「現時点では必要ないと思っている」とコメントするなど、基本的にはやらないという本音をちらつかせていました。
次回法廷では,この人証申請が採用されるか否かが一つの注目点になりますね。
法廷では最後に,次回期日の日程を決めて閉廷しました。
既に,お知らせしましたが,次回期日は,8月21日(木)10時30分です。
本ブログでは,次回から控訴審で提出された主な書面をUPする予定です。

これからも後藤徹氏の応援をよろしくお願いいたします。
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2014-06-11(Wed)
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とてもわかりやすい傍聴記
とてもわかりやすい傍聴記でしたね。
傍聴に参加していない人も、まるで参加していたかのようにわかるはず。
小生のブログで、3回の傍聴記を紹介させていただきます。
傍聴に参加していない人も、まるで参加していたかのようにわかるはず。
小生のブログで、3回の傍聴記を紹介させていただきます。
ビッシリ
虫眼鏡でもないと、何が書かれているのか分からないくらい、ビッシリとメモ書きされたカレンダー。
時代から取り残されまいと必死でモガきながら、何月何日、こんなことがあった、あんなことがあった、と書き込んだのではないでしょうか。
当然、兄妹、宮村らも何を書き込んでいるかを見るわけで、下手なことは書けません。自分だけが分かる秘密の暗号だったのかもしれません。
それにしても、ここまでビッシリと書かざるを得なかったというのは、置かれていた環境が尋常ではなかったことを物語ります。
他にカレンダーがない、このスペースにしかメモることができなかったわけで…。
被告側がなぜ、これを出してきたのか不思議ですが、客観的に見れば、これは監禁を裏付ける資料としか思えません。
時代から取り残されまいと必死でモガきながら、何月何日、こんなことがあった、あんなことがあった、と書き込んだのではないでしょうか。
当然、兄妹、宮村らも何を書き込んでいるかを見るわけで、下手なことは書けません。自分だけが分かる秘密の暗号だったのかもしれません。
それにしても、ここまでビッシリと書かざるを得なかったというのは、置かれていた環境が尋常ではなかったことを物語ります。
他にカレンダーがない、このスペースにしかメモることができなかったわけで…。
被告側がなぜ、これを出してきたのか不思議ですが、客観的に見れば、これは監禁を裏付ける資料としか思えません。
お勧めブログ
「スケープゴート①-無責任な弁護士」
http://ameblo.jp/angelstairway/entry-11876457289.html
展開がとてもいい。
ライフスペースの本の紹介から始まり、今の傍聴記につながっていく。一気に読ませてくれます。
http://ameblo.jp/angelstairway/entry-11876457289.html
展開がとてもいい。
ライフスペースの本の紹介から始まり、今の傍聴記につながっていく。一気に読ませてくれます。
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