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控訴審裁判傍聴記(その2)-激しい書面の攻防(注:6月9日に修正加筆しました)

2014年6月5日。この日の東京は,朝方から雨模様。
ちょうどこの日,平年より3日早い梅雨入りの発表があり,数日前の季節外れの猛暑から,一転して肌寒いほどの気候に。
東京高等裁判所の824号法廷。14時30分。いよいよ後藤裁判控訴審第1回口頭弁論が開廷しました。

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原告側,被告側,そして,傍聴人は,裁判長の発する言葉に神経を集中する。
初老の落ち着いた雰囲気の須藤裁判長は,まず,本件控訴審で双方が提出した控訴状における申立内容について確認。「原告側は,一部勝訴なので認められなかった部分の取消しを求め,一方、被告側は一部敗訴なので,認められなかった部分の取消しを求める,ということでいいですね」裁判長の言葉は正確に覚えていないが,こんな説明だったと思います。

そして,次に控訴審に入ってからの原告側,被告側双方から提出された控訴状以外の書面の確認に入りました。


ここで,原告側と被告側が控訴審に入ってから裁判所に提出した書面の種類を以下に列記してみます。

控訴状
控訴理由書
答弁書
準備書面
陳述書、ノート、メモなどの証拠のコピー
証拠申出書
証拠説明書
意見書

ここで,裁判に詳しくない方に豆知識を。
実は,かく言う私めも裁判はドがつく素人なので,控訴理由書やら準備書面やら陳述書と言われてもよく分からない。そこで,ちょっと調べてみました。もし,間違っていたら,どなたかコメント欄で指摘して頂けたら嬉しいです。

以下,解説
*民事裁判というのは、当事者の主張が認められるかどうかで勝負が決まる。
*主張を認めるかどうかは、その主張を裏付ける証拠があるか否かによって決まる。
*準備書面や控訴理由書や答弁書は,主張を書いた書面である。
*それに対して、陳述書は、1つの証拠である。 

図示してみると

 主張・・・・・・準備書面、控訴理由書、答弁書など
  ↑
 証拠・・・・・・陳述書,その他ノート,メモ,書類、写真、証言など

なるほど,同じ書面でも準備書面と陳述書は位置づけが違うわけですね。

準備書面や控訴理由書や答弁書が主張(自分のいいたいこと)を書いた書面であることが分かりましたが,特に準備書面って分かりにくいですよね。
より詳しく知りたい方は,こちらをご覧ください。民事裁判用語が簡単に解説してあります。


さて,裁判豆知識はこのくらいにして,原告側,被告側双方が提出した控訴状以外の主張の書面を確認してみます。

<原告側>
①控訴理由書
②準備書面(1)
③準備書面(2)
④準備書面(3)
⑤準備書面(4)

<被告側>
【後藤氏の兄・妹・兄嫁】
①控訴理由書(1)
②控訴理由書(2)

【宮村】
①控訴理由書(1)
②控訴理由書(2)
③答弁書

【松永牧師】
①答弁書

須藤裁判長は,まず,上記の双方の主張の書面タイトルを読み上げ,提出されていることを確認しました。

裁判長が,原告側が最後に提出した「準備書面(4)」(内容は,被告側の主張に対する反論)の確認をした時,裁判長が「これは今朝提出されたものですね」とコメント。
すると福本弁護士が「相手方(被告側)が遅れて書面を提出してきたものですから」と弁明。
これを遮るかのように裁判長が「まあ、まあ、いいでしょう。ハッハッハッハッ」と言って難なく採用。
私は「え!」と驚きました。なぜなら,普通,裁判に提出する書面は,法廷日までに当事者双方及び裁判官がきちんと読んで準備できるように,少なくとも弁論期日1週間前には提出すると聞いています。原告後藤氏側は,当日に準備書面を提出するなんて!?

そこで,帰り際に後藤さんにちょっと聞いたところ,「もう,向こうは,出すのがあまりにも遅いんですよ。おいおい,今ごろ出すのかよ!って感じ。期日まで反論する時間さえない」と。あの温厚な後藤さんが少々ご立腹のご様子。

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何でも,本件控訴審は,2月はじめに双方控訴してから,裁判所から控訴理由書の提出期限が4月3日と言われたそうです。
なるほど,確かに,控訴理由書の提出期限がこの時期なら,その控訴理由書に対する反論を6月5日の法廷期日前に提出する時間を確保できるわけです。

原告の後藤氏側は,きっちりと書面提出期日を守って書面を提出したそうです。
ところが・・・ 被告側は,相当遅かった?!

まあ,一審の時から,被告側は,書面提出期限を守らず,裁判長からも「我々も休日を返上して書面を読まざるを得なかった!」と厳重注意を受けるほどでしたから,・・・しかし,性懲りも無く,控訴審でもですか!

聞くところによると,被告側が合計,100頁以上もの控訴理由書を出したのが4月半ばの期限2週間遅れ。
これだけならまだしも,宮村が「控訴理由書(2)」を提出してきたのが,何と,期日まで1週間を切った5月30日(金),また後藤氏兄・妹・兄嫁に至っては,6月3日(火)(法廷日2日前!)に提出してきたそうです!
なんじゃこりゃ~!これじゃあ,原告側の後藤氏が反論する時間なんて無きに等しいじゃない!

後藤さん曰く,「もう,福本弁護士も呆れていましたし、あとは次回にしょうと言われていたこともあったんです。
ところが、良く見ると、被告側提出証拠の中に、かえってこちらに有利な証拠が次々と出てきたのです。
それで、これは反論しない手はない、ということになって,最後は裁判当日の朝、準備書面を提出したんです」

なるほど。原告側の被告側主張に対する反論「準備書面(4)」の提出が法廷当日の午前中になってしまったのには,そんな事情があったのですね。

それでか。後藤さん,なんか相当お疲れのご様子。あの様子では,徹夜で書面作成したのかも知れませんね。ホント,お疲れ様です。

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しかし,その「かえってこちらに有利な証拠」ってどんなもの?それは,後日,本ブログでご紹介いたしますのでお楽しみに!

しかし,その後の情報によると,最後に書面を提出したのは,原告側ではなく,ナント宮村だったそうです(宮村自身の反論陳述書)。
その提出時間は,なんとナント12時24分! 開廷の約2時間前!!!・・さ,さすが宮村先生と山口先生,やることが大胆ですね。

山口広弁護士② 宮村


しかし,被告側の弁護士の皆さん(山口広,木村壮,山口貴士,荻上守生各弁護士先生),ちょっと書面提出のやり方が強引すぎませんかね~。
というか,ちゃんと原告側が反論する時間まで考慮しないとダメでしょ。
それが,法廷での最低限のルールってもんじゃない。私はそう思うんだけど。
原告の後藤さんの疲れ切った姿が何とも痛々しかっただけになおさらムラムラ怒りが湧いてくる。
これって,裁判官の心証に影響しないのかしら。

そんな中での須藤裁判長のご様子は,いたって穏やか。「まあ,長期間の案件ですからね」的なことをおっしゃられたと思います。

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話を法廷に戻します。
次に,裁判長は,原告側,被告側双方から提出されている証拠の確認に入りました。ここで,・・・一波乱ありました!
被告側弁護士に対して福本弁護士が舌鋒鋭く切り込みます。被告側弁護士はタジタジ。
そのご報告はまた次回。お楽しみに。

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2014-06-09(Mon)
 

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傍聴記2を加筆、修正しました。 

傍聴記2を加筆、修正しました。

8日にアップしました「傍聴器2」は、非公開にしています。

ツイート、シェアしてくださった方々、申し訳ありません。
2014-06-09 22:38 | 世話人X | URL   [ 編集 ]

卑怯者!またも提出遅延 

詳しい傍聴録、ありがとうございます。
もし、この傍聴録がなかったら、被告らの卑怯さはちゃんと伝わらなかった(読者は知ることができなかった)と思います。

要するに、こういうことですね。
・宮村が「控訴理由書(1)」を出したのが4月半ば(期限2週間遅れ)
・宮村が「控訴理由書(2)」を提出したのが5月30日(金)
・後藤兄・妹・兄嫁が「控訴理由書」提出したのが6月3日(火)(法廷日2日前)
・宮村が反論陳述書を提出したのは控訴審当日の12時24分(開廷の約2時間前)

ずるいというか、汚いというか、卑怯者のやることはどこまで行ってもアクドイですね。

裁判に提出された書類の内容だけではなく、こうした意図的な提出遅延行為も、しっかりと記録しておく必要があると思います。書類だけでは分からない、卑怯者の本性がかいま見えるので。

この提出遅延行為が吉と出るか凶と出るか…。
続報を楽しみにしていま~す!
2014-06-11 08:45 | みんな | URL   [ 編集 ]

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