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後藤徹氏の準備書面(8)-松永牧師の準備書面(3)の反論

しばらく関係者の陳述書のやりとりがつづいたが、久しぶりに原告側から提出された準備書面を紹介する。
今回のもので8つめだ。

今回の準備書面は、松永牧師の準備書面(3)の反論となる。



準備書面(8)

平成24年4月10日

東京地方裁判所民事第12部 御中


原告訴訟代理人弁護士  福 本 修 也


 本準備書面においては,被告松永堡智の2012年2月21日付準備書面(3)に対する反論を行う。

第1 「第1」について
1 「1」について
 被告松永は,原告を拉致監禁した事実はなく,原告はマンションを出ようと思えば出られたと主張する。しかしながら,原告が意に反してまで脱会届や反省文を記したのは,そうまでしなければパレスマンション多門から脱出できない状況にあったからに他ならない。自由な話し合いがなされ出入りが自由なら,真意に反して脱会届を書く必要などさらさらなかったのである。この点について被告松永は,「統一教会では,信者と家族との話し合いを,拉致監禁による強制棄教と決め付けたうえ,偽装脱会することによって家族の対話を回避し,家族を欺くよう指示が出されている」と主張するが(松永準備書面(3)10頁14行目~16行目),ここ言う「偽装脱会」しなければ,「家族との話し合い」を回避できない状況とは,すなわち,信者が,家族らによって拘束されている状況に他ならず,信者が拘束されていなければ,偽装脱会する必要など生じないのである。現に,原告が1995年9月11日よりも以前に保谷市の実家を訪れた際には,偽装脱会などせずとも自由に実家から退出できたのである。一方,仮に統一教会から,偽装脱会してでも家族との対話を回避するようにという指示が出ていたのであれば,自由に出入りできるはずのマンションから原告が早々に立ち去らなかったこと自体が,そのような指示と矛盾した行動となる。
実際には,統一教会は家族との対話をことさらに回避することなど指導はしていない。統一教会において信者間で指導がされているとすれば,拉致監禁され,強制棄教の被害を受ける状況に陥った者が偽装脱会せざるを得ない事例が多々あった事を紹介しているものに過ぎない。
また,被告松永は,同被告が原告との話し合いに行かなくなった後に被告■<後藤徹氏の兄>らと原告が話し合いを継続した事実から,被告松永らが話し合いを終了させる権限を持っていなかった事実が明らかである旨主張する。しかしながら,被告松永が原告の許に行かなくなったのは,原告が脱会の意思表明をし,それ以上被告松永として話すべき内容がなくなったからに過ぎない。被告松永においては,原告が未だ偽装脱会をしている疑いを持っていたからこそ,被告■<後藤徹氏の兄>らをして原告の監禁を継続させたものである。従って,被告松永が原告の許に行かなくなった後も,被告■<後藤徹氏の兄>らが原告との話し合いを継続した事実は,何ら被告松永が拉致監禁を終了させる権限を持っていた事実と矛盾するものではない。
既述の通り,被告宮村は『親は何を知るべきか』(甲24号証)において,「脱会には特別な知識と経験を持つ,医師のような先生が必要不可欠」と述べ,その先生に頼る以外に道はないことを強調し,被告松永も同書に推薦文を寄せているが,被告宮村が言う「先生」には,被告松永も含まれるのであって,原告が脱会したかどうかの判断及び監禁を継続するか否かの判断は,全て知識と経験を持つ被告松永に委ねられていたものである。

2 「2」について
 被告松永は,統一教会の拉致監禁キャンペーンの象徴として,原告は拉致監禁状態であったと主張しているなどと述べる。しかしながら,現に被告松永は,統一教会信者を脱会させることを希望する父兄らに対して,勉強会において拉致監禁の指導を行っており,鎖と南京錠による玄関の施錠や全ての窓についての施錠など具体的な指示を行っているものである(甲44号証(甲45号証小出浩久陳述書添付のノートにおける21頁4行目)ノート2
,甲41HY陳述書3~4頁,甲26SK陳述書5~7頁)。したがって,原告に対しても,被告松永の勉強会に参加し指示指導を受けていた被告■<後藤徹氏の兄>らが(乙イ10号証■<後藤徹氏の兄>陳述書13頁等),部屋の玄関ドアや窓の施錠をするなどして,原告を完全な監禁下に置いていたことは,疑いの余地がない。
このように,全ての窓を開閉不能にするよう指示を出したのは,信者の逃走を防止するためと同時に,拘束された統一教会信者が,「救出を求める手紙などを窓の隙間から外部に投ずるのを防止」するためでもある(甲41号証HY陳述書4頁21行目)。

第2 「第2」について
1 「1」について
 (1)「(1)」について
被告松永は被告宮村との共謀の事実を否定するので以下反論する。
被告松永の陳述書(乙ロ第1号証4頁)によれば,同被告は1986年頃以降,荻窪栄光教会の森山諭牧師の元を数回訪れたということであり,その際,被告宮村とも知り合ったという。
『月刊TIMES』なる雑誌(乙ハ3号証21頁3段目)によれば,被告宮村はこの頃既にマンションの一室を利用した統一教会信者に対する脱会説得活動を行っていたものであり,既にその頃から被告松永及び被告宮村は拉致監禁を手段とした脱会強要について情報交換を行っていたものと考えられる。
なお,森山諭牧師自身も,『夕べ雲焼くる』と題する著書で,統一教会信者の意思に反する強制的な脱会説得を行っていた旨自ら述べており(甲59号証:273~275頁),被告松永は森山とも強制的脱会説得について情報交換を行っていたものと考えられる。
甲20号証の1,2は,統一教会信者に対する拉致監禁,脱会強要活動に関して被告宮村,及び被告松永等と連携関係にあるキリスト教神戸真教会の高澤守牧師が,神戸地裁に係属していた平成4年(ワ)第1732号事件(元統一教会信者等が統一教会を相手に提訴した損害賠償請求訴訟で「青春を返せ裁判」などと呼ばれる)において,同事件原告側証人として証言した際の証言調書である。同事件において高澤は,統一教会信者に対する自身の拉致監禁,脱会強要活動全般について証言した上,統一教会対策に関心を持つ全国諸団体の牧師らが集まって運営しているところの「全国霊感商法対策協議会」なる組織について証言している。高澤によれば,諸団体というのは具体的には日本基督教団,同盟教団,オリエンス教団,アッセンブリ教団など10幾つの教団のことであり(甲20号証の2:51~52頁),本件被告宮村や被告松永も会合によく参加していたと言う(同56~58頁)。会合では,統一教会の状況や,「騙されて逃げられていく」ことを防ぐにはどうしたらいいかといったことなど諸般の話し合いがなされるというが(同55頁),「騙されて逃げられていく」とは「偽装脱会」のことにほかならず,これを防ぐのは,信者が脱会するまで監禁場所から解放しないために他ならない。要するにこの会合では,統一教会信者に対する監禁手法に関する謀議が行われていたのである。従って,この会合に出席していた被告宮村及び被告松永は,統一教会信者に対する拉致監禁・脱会強要を巡って恒常的に意見交換・情報交換を行っていたものと言えるのであり,原告が本件に提出した陳述書の被害事例はもとより,本件において共謀の事実がなかったなどということはあり得ない。
なお,高澤牧師は上記証言後に統一教会信者に対する拉致監禁・脱会強要を理由に2件の損害賠償請求訴訟で敗訴しているものである(甲53の1,2,甲54の1,2)。

 (2)「(2)」について
被告松永は,統一協会信者に対する拉致監禁等の指導を否定し,甲45号証の小出陳述書の客観性を否定する。しかしながら,小出医師は被告松永が統一教会信者の父兄を対象として行っていた勉強会に自らも講師などの立場で参加していた者であって実際に自身が見聞した事実を元に甲45号証を作成したものであり,しかも,同見分内容については,自らの逃亡直後に著した「人さらいからの脱出」(甲29号証:150~161頁)において,本件とは無関係に既に詳細に記してる。

2 「2」について
(1)「(1),(2)」について
被告松永は,統一教会信者をその意に反して閉じ込め,根拠なく教祖を罵倒し,強制的に棄教させることなどありえないなどと主張する。しかしながら同人が統一教会信者の父兄らを指導して拉致監禁,脱会強要を行っている事実は,原告提出のHCの講義ノート(甲44号証)や,HYのメモ(甲48号証)などの各種証拠により客観的に明らかである。
また,被告松永はSK陳述書(甲26号証)の信用性を否定する。しかしながら,被告松永の主張は,単に「■■」との娘の名前についてのワープロ変換ミスを読み飛ばしたものに過ぎない。一方,同陳述書には,SKでなければ知り得ない具体的事実が多く記されており,同人自身の体験・認識が記されたものであることは明かである。

(2)「(3)」について
ア「ア」について 
被告松永は,あくまでも家族間の信頼関係を取り戻す手伝いをすることが目的なので,統一教会信者の意思に反することを行うよう指導するはずがないなどと主張する。しかしながら,同被告は,統一教会信者が完全に棄教脱会し,その親族と同じく反統一教会の立場に立つようになることを「家族間の信頼関係を取り戻す」などと表現しているものに過ぎず,いかに繕ってみたところで,原告が提出したHCの講義ノートやHYのメモなどにより,被告松永が統一教会信者に対する拉致監禁,脱会強要を指導,教唆していた事実は明らかである(甲44号証,甲49号証)。
また,その結果,HY,同U母子のように,親子間の信頼関係が破壊される家族も多いのである(甲40号証,甲41号証)。

 イ「イ」について
「偽装脱会」については,上記高澤牧師が神戸地裁において証言している通りであり(甲20号証の1:23頁,甲20号証の2:13~15頁),統一教会信者において偽装脱会が必要となるのは,そもそも偽装脱会をしなければ監禁から解放されない状況にあることが前提である。

(3)「(4)」について
被告松永は,信者を獲得したいと考えるのであれば,統一教会信者家族の相談に乗るよりも,人の集まる場所に出かけて話をしたり,教会で地域活動を行った方がよほど現実的な伝道活動である旨主張する。
しかしながら,そのような方法を採ったところで,そもそもキリスト教人口の少ない日本において,教会への伝道が成功する保証など何もなく,自ら新津教会に足を運んで来る統一教会信者家族を相手にした方が,よほど教勢拡大に資することは,火を見るよりも明らかである。現に既に本書面3頁「第2 1(1)」でも取り上げた,被告松永と連携関係にあるキリスト教神戸真教会の高澤守牧師の証言調書において同牧師は、自らの教会の会員の内の半数が統一教会を脱会した元信者であると証言しているのである(甲第20号証の1:34頁4行目)。高澤牧師と同様,数多くの統一教会信者の脱会説得に成功している被告松永の教会も同様であることは明らかであろう。

                         
以 上


2012-07-18(Wed)
 

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松永よ、チャンチャラおかしいぜ。 

>被告松永は,信者を獲得したいと考えるのであれば,統一教会信者家族の相談に乗るよりも,人の集まる場所に出かけて話をしたり,教会で地域活動を行った方がよほど現実的な伝道活動である旨主張する。

 ふんッ。松永よ、チャンチャラおかしいぜ。笑わせるなよ。

「教会で地域活動を行った方がよほど現実的な伝道活動」
 これはその通りだろう。だが、クリスマス会に誘ったり、バザーに誘ったり。こうした活動が伝道活動と言えるのかい。たんなる恒例のルーチンワークではないのかい。お前は一般信徒ではなく、献金でメシを食っている西洋乞食なんだぜ。
 つまり、自己満足的なアリバイづくり。
 イエス様、今日のバザーで何人の人が集まり、こんなにも、昨年より売り上げは落ちましたが、集まりました。これも神の導きです。アーメン (こんなレベルだから、アーメンをソーメン、ラーメンと揶揄されるのだ)

 で、本題。「人の集まる場所に出かけて話をする」?

 松永よ、毎日とは言わないが、毎週やっているのかい。大飯原発の再開反対運動は毎週官邸前に集まっている。モルモン教やエホバの証人は毎日、神の言葉を伝えている。

 松永よ、最近、いつ新津の駅前で辻説法したのかい。教えてくれ。信徒たちと、熱い熱いといいながら、ソフトクリームを舐めているだけではないのか。

 松永よ、お前は浅見定雄さんのことを批判していたではないのか。
「浅見さんとは考えが違う」と。

 どう違うのか。浅見さんは改宗に反対していた。それを批判していたのではないのかい。
 つまり、浅見さんは脱会させて終わり、君は脱会させたあとに真のクリスチャンにするために脱会後も洗脳すべきだと主張していたのではないのか。

 実際、君の教会の後継者と見なされている有力な牧師、小池牧師は君が強制脱会させた元統一教会信者ではないのか。小池さんがいなかったら、君の教会はどうなっていた?

 イエス・キリスト(カルビン)が見ているぞ。
 神に恥じない証言を期待しているぞ。(君が浅見を批判した文章はあるぞっ)

 ほんとうにバカみないなインチキ・自己満足的なクリスチャンだ。
 強制脱会をやっていたバプテスマの中澤先生(大野教会)を見習ったらどうかと言いたい!

2012-07-22 19:37 | 米本 | URL   [ 編集 ]

 エイト君がめった斬りに 

 ブログのテーマと関係のない投稿でごめんなさい。

 かのエイト君がめった斬りにされたブログの紹介です。
 オーストラリア在住のYoshiさんのブログです。
 論理的思考が要求されますが、爆笑すること、間違いなしです。

<エイト君が教えてくれたこと「人権のために闘うサイエントロジー>
http://humanrightslink.seesaa.net/article/281982309.html

<笑わせてくれるぜ、エイト君。「反カルト」 の中に 「カルト性」 を見た>
http://humanrightslink.seesaa.net/article/282370658.html
2012-07-23 11:29 | 米本 | URL   [ 編集 ]

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世話人:宿谷麻子 <2012年10月15日逝去>
(強制脱会者)
世話人:koyomi
(強制脱会者)
世話人:小川寿夫
(自主脱会者)
世話人:yama
(強制脱会説得体験者。教会員)

連絡先:gotosaiban-contactus@yahoo.co.jp

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